ターミネーター ニュー・フェイト公開に先駆けた来日記者会見の内容まとめ
ターミネーター ニュー・フェイトの公開に先駆け、昨日来日した主要な出演者4名(アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、マッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ)が来日記者会見を行った。
主要キャスト5名による来日記者会見の様子を短くまとめて紹介する。
まずは、代表質問、その後に集まった記者たちからの質問を行うという流れで記者会見が進むとアナウンスされ、いよいよ主要キャスト5名が登場する。
登場順はガブリエル、ナタリア、マッケンジー、リンダ、アーノルドの順番だった。
このページでは現場で翻訳されていた内容をより理解しやすいよう、文章を再構成して主要部分を短く紹介する。
代表質問で行われた質疑応答
最初に代表質問が行われた。2つの質問が投げかけられ1問目ではアーノルドとリンダ、2問目では今回からの登場となるガブリエル、マッケンジー、ナタリアが返答を行った。
アーノルドとリンダには35年間で培ってきた硬い友情がある
ターミネーターという作品のPRでアーノルドとリンダは一緒に来日することができた件についての質問で、アーノルドは「素晴らしいキャストの皆さんと一緒に来日できて嬉しく思います。そして今回の映画は誇りを持って皆さんに紹介する作品です」と返答。
またリンダは「1作目から35年の友情を培ってきました。そこには信頼があり、お互い自由です。これだけ長い期間こういう形で一緒にできる俳優は他にはあまりいません。二人の間に35年の歴史があるからこそです。」と答えた。
質問と返答で言語は違うものの、用意された代表質問の内容と返答内容が噛み合わない事に若干の違和感を感じた。
ターミネーター ニュー・フェイトに参加できたことが非常に嬉しく光栄
続いての質問は新たな登場人物を演じたキャストに対して、ターミネーター作品に参加した際の思い出を聞いた。
ガブリエルは
「小さい頃からターミネーターのファンで、それに参加できるというのは夢みたいなものでした。
先頃ジャーニーのボーカリストが亡くなった際に後継者のシンガーにジャーニーの熱烈なファンが選ばれたという前例があります。自分もそれと同じような気持ちです。
アーノルドとリンダの友情を目撃できたこと、そして彼らの素晴らしい仕事ぶりを見ているだけで色々な事を吸収し、学びになり本当に素晴らしい体験でした。」
と語った。
マッケンジーは
「アーノルドとリンダが育んできた歴史を継承していく映画に彼らと共に共演できて本当に素晴らしい体験でした。
サラ・コナーの強く、時間と戦い続ける女性像に感銘を受けました。
T1とT2ではキャラクターに対するフォーカスの精度が作品を特別なものにしていたと思います。今作もそれをテンプレートに素晴らしい作品を作ることが来ました。」
と同じく、ターミネーター作品に出演できたことを嬉しく思っている様子だった。
ナタリアは
「この映画に参加できたのは私にとって贈り物であり、とても光栄です。
アーノルドとリンダは伝説的な方々ですが、その伝説の裏にある人間の部分に直接会うことができて、彼らの自己抑制力の高さや自らのパワーを意識して、それを良いことに使おうという意識の高さに非常に感銘を受けました。
今回私はラテン系代表としてこの作品に参加しているという責任も感じています。多様性ということでハリウッド映画は変わってきています。
色々な人がハリウッド映画に参加できる余地があるということを示していると思います。」
と、最後はハリウッド映画がダイバーシティが取り入れられ変わってきている事についても触れている。
参加記者による質問
続いて、会見に参加している記者による質問が行われた。最初に質問したのがジャニーズ事務所のKis-My-Ft2宮田俊哉さんだったのには驚いた。
この30年でお互いに成長し変わった部分と変わらない部分がある
30年前と比べて変わった部分と今でも変わらない部分はどこ、という質問が投げかけられた。
リンダは
「アーノルドが色々なものになり、成長していくのを見てきました。
家族を作り、知事になり、素晴らしい政治家になり、温暖化についてのキャンペーンを行う活動家になりました。そしてチェスの名人でもあります。」
とリンダはアーノルドが常に成長していく様子を嬉しく見守っていたと語った。
アーノルドは
「1作目のターミネーター以降、リンダとは友情を築いています。2作目以降も、知事になっても友情は続いています。私の就任式にもリンダは参加してくれました。
私は共和党員で、リンダは共和党員ではないと思いますが、それでも就任式に来てくれました。
リンダは1984年に女性アクションヒーロ像の水準を高くしました。そして1991年に更に水準を高くしました。
今作でリンダが復帰する際にそれまで自ら作った高水準を女性ヒーロー像を超えられるのか、T2の時のように質の高いアクションをし、今まで見たことのない女性ヒーローを28年経った今再び演じられるのか心配でした。
ですが、実際にリンダを見て圧倒されました。期待した水準を遥かに超えていたからです。60歳という年齢で見事な動き、筋肉も蓄えて軍事的トレーニングで武器をプロのように扱えるようになっていました。
あまり言いたくありませんが、過去の作品に彼女が出ていないのは間違いではないかと思います。」
と、リンダとの友情は変わらず、更に60歳になったリンダもT2当時の素晴らしい女性アクションヒーロ像の水準を更に高める程に成長している事に触れた。その他の作品に対してもチクリ。
新しいメンバーにとってのアクションシーンは過酷なものだった
多くのアクションシーンのあるターミネーター ニュー・フェイトで、苦労したシーンや印象深いシーンを聞かれた新たに加わったメンバー3人は以下のように返答した。
ガブリエル
「サラとT-800が自分に対してグレネードランチャーと火器で撃ちまくるというシーンです。自分の映画キャリアの中で最も素晴らしいシーンだと思います。
このシーンは二人がヘリに向かって撃っているという設定ですが、スタジオ内にヘリはなく自分自身もそこにはいませんが、自分のおもちゃ箱にアクションフィギュアとして存在していた二人から銃を向けられ銃口越しに自分を見ているというのは本当にワクワクしました。」
と、本当にターミネーターシリーズの熱心のファンであることが伺える思い出が語られた。
マッケンジー
「自分自身の初めてのアクション映画でありながら、他のアクション映画に比べてアクションシーンや運転する乗り物の数が多いと感じています。
忘れられないシーンは、南スペインでトラックに乗っている私達をガブリエル扮するRev-9が追いかけるシーンを1週間から1週間半ほど撮影していた際に、ついにサラ・コナーが登場した時です。
スクリーンの中ではなく、目の間にサラ・コナーがいて銃を持って鬼気とした表情でガブリエルに弾を撃ち込んでいる姿が自然でワクワクしました。」
と語った。我々も予告で何度も見た、サラの登場シーンのあたりのことだと思うが、サラが車から現れた時の衝撃は忘れられない。
ナタリア
「アクション映画に慣れていないので、他の言語を学ぶ程大変でした。
特に、ブダペストで1ヶ月から1ヶ月半程、リンダたちと水中シーンを撮影していました。夜6時から朝6時まで12時間撮影が行われ、その間ずっと水中にいました。
撮影最後の夜には疲労困憊で死ぬかと思いましたが、リンダは"さあ行くわよ"とものすごく元気だったんです。
リンダがみんなにインスピレーションを与えている姿は信じられないです。本当に素晴らしかったです。」
と過酷な撮影中でもリンダは元気に撮影に望んでいた様子が語られた。アーノルドが語ったリンダのトレーニングの賜物だろう。
リンダ
「一番大変だったシーンは"アイル・ビー・バック"というセリフを言うところでした。私の頭の中では35年間アーノルドの声で再生されます。なので、何度も何度もトライしました。
毎回"アイル・ビー・バック"というたびにミラー監督に"どうだった?"と尋ねると"だめ、アーノルドみたいだった"と言われていました。
また、アクションシーンはどれも大変でしたが、中でもナタリアとの水中の撮影シーンです。撮影開始から1週間ほど経過した時にふたりとも耳の感染症に感染してしまいました。
水中シーンが終わって安心していると、次はダムから逆さまに吊り下げられたハマーのシーンの撮影でした。90度に吊り下げられた場所での撮影は、耳の炎症もあってバランスがうまくとれず吐き気とめまいに襲われました。
人生最高最大のアクションシーンの演技をしているのに耳は炎症を起こして、吐き気もしてとても大変でした。」
と、撮影当時に耳が炎症を起こし、その後の撮影にも影響したことに触れた。本当に撮影が過酷だったことが伺える。
アーノルド
「楽しかったシーンはRev-9との戦闘シーンです。
飛行機が4万フィートくらいの高さから落下しているシーンの撮影ではワイヤーで吊られながら、色々なものが飛び交う非常な危険なシーンもありました。そういう危険な状況を楽しめる姿勢でとても楽しむことができました。」
と予告でも見ることができた飛行機が落下していくシーンについて触れていた。
ここでガブリエルが笑顔で
「あのシーンを撮影している時は本当に楽しかったです。
アーノルドの手を見てください。僕の頭ほどもあります。その手で何度も殴られました。自分はタフで何の影響も受けていない演技をしていますが、頭の中では童心にかえって楽しくて楽しくて仕方ない瞬間でした。」
と補足。ここでもまたガブリエルのターミネーターマニアの顔を覗くことができる。
ターミネーターを演じるのはこれが最後
アーノルドは、ここまで長く続く作品だとは思っていなかったと語った。そのうえで、今回アーノルドは自分がターミネーターを演じるはこれが最後だと思うと発言した。
やはり、ターミネーターと言えばアーノルド演じるT-800の登場を期待している観客は多いだろう。ターミネーターマニアの中にはアーノルドの事を非常に愛してやまない人も多い。
今後、ターミネーターが更にシリーズ化されていった際にアーノルドが不在のターミネーターが作品として成立しても、心の奥にある感情が新しいターミネーターだとわかっていてもどこか拒否してしまうのではないか、と不安を感じた発言でもあった。
過去に戻れるならリンダは1984年の自分の髪型を変えたいしアーノルドは環境保全活動をしたい
過去に戻れるなら、という質問に対しリンダは1984年の自分の髪型を変えたいと返答。会場に笑いが起きるが、その後2016年に行われた大統領選をやり直したいと答えた。
アーノルドは100年ほど前に行き、現状環境破壊が進んでいるので使用する燃料を見直し、電気や水素に早くシフトするよう伝えたいと述べた。
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